AudioBuffer

AudioBuffer インターフェイスはメモリー上の短い音声を表すもので、 AudioContext.decodeAudioData() メソッドで音声ファイルから生成されたり、 AudioContext.createBuffer() を使って生のデータから生成されたりします。 AudioBuffer に入れた後、その音声は AudioBufferSourceNode に渡せば再生できます。

これらのオブジェクトは短い、一般的には 45 秒未満の、断片的な音声を保持するために設計されています。それよりも長い音声は、 MediaElementAudioSourceNode のオブジェクトが適しています。バッファーには、ノンインターリーブ IEEE754 32bit リニア PCM で、 -1 から +1 の範囲に正規化された形式で格納されます。つまり、 32 ビット浮動小数点バッファーで、それぞれのサンプルは -1.0 から 1.0 の間です。 AudioBuffer に複数のチャンネルがある場合は、それぞれ分かれたバッファーに格納されます。

コンストラクター

AudioBuffer()

新しい AudioBuffer オブジェクトのインスタンスを生成して返します。

プロパティ

AudioBuffer.sampleRate 読取専用

バッファーに格納された PCM データの 1 秒あたりのサンプル数であるサンプリングレートを表す float を返します。

AudioBuffer.length 読取専用

バッファーに格納された PCM データの秒数で長さを表す整数を返します。

AudioBuffer.duration 読取専用

バッファーに格納された PCM データの時間を秒単位で表す double 値を返します。

AudioBuffer.numberOfChannels 読取専用

バッファーに格納された PCM データによって記述されるディスクリート音声チャンネルの数を表す整数を返します。

メソッド

AudioBuffer.getChannelData()

引数 channel で定義されたチャンネルに関連付けられた PCM データを含む Float32Array を返します(0 は最初のチャンネルを表します)。

AudioBuffer.copyFromChannel()

AudioBuffer の指定されたチャンネルから、サンプルを配列 destination にコピーします。

AudioBuffer.copyToChannel()

音声バッファー AudioBuffer の指定されたチャンネルに、配列 source からサンプルをコピーします。

次の簡単な例では、 AudioBuffer の生成し、バッファーにランダムなホワイトノイズを書き込む方法を示しています。 webaudio-examples リポジトリーには完全なソースコードと、ライブ実行版があります。

js
var audioCtx = new (window.AudioContext || window.webkitAudioContext)();

// AudioContextのサンプルレートで 3 秒間の空のステレオバッファーを生成する
var myArrayBuffer = audioCtx.createBuffer(
  2,
  audioCtx.sampleRate * 3,
  audioCtx.sampleRate,
);

// バッファにホワイトノイズを書き込む
// -1.0 から 1.0 の間の乱数の値で埋めるだけ
for (var channel = 0; channel < myArrayBuffer.numberOfChannels; channel++) {
  // 実際のデータの配列を得る
  var nowBuffering = myArrayBuffer.getChannelData(channel);
  for (var i = 0; i < myArrayBuffer.length; i++) {
    // Math.random() は [0; 1.0] である
    // 音声は [-1.0; 1.0] である必要がある
    nowBuffering[i] = Math.random() * 2 - 1;
  }
}

// AudioBufferSourceNode を得る
// これは AudioBuffer を再生するときに使う AudioNode である
var source = audioCtx.createBufferSource();

// AudioBufferSourceNode にバッファーを設定する
source.buffer = myArrayBuffer;

// AudioBufferSourceNode を出力先に接続すると音声が聞こえるようになる
source.connect(audioCtx.destination);

// 音源の再生を始める
source.start();

仕様書

Specification
Web Audio API
# AudioBuffer

ブラウザーの互換性

BCD tables only load in the browser

関連情報