Math.log1p()

Math.log1p() 関数は、 1 + 数値の (e を底とする) 自然対数を返します。

x > - 1 , Math.log1p ( x ) = ln ( 1 + x ) \forall x > -1, \mathtt{\operatorname{Math.log1p}(x)} = \ln(1 + x)

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構文

Math.log1p(x)

引数

x

数値です。

返値

1 + 与えられた数値の (e を底とした) 自然対数です。数値が -1 よりも小さかった場合は NaN が返されます。

解説

x の値が非常に小さかった場合、 1 を加えると有効精度が減少します。 JS で使用する倍精度浮動小数点型の精度は 15 桁です。 1 + 1e-15 = 1.000000000000001 ですが、 1 + 1e-16 = 1.000000000000000 となり、 15 桁を超えた桁は四捨五入されるため、正確に 1.0 となります。

log(1 + x) を計算すると、 x が小さければ、 x にとても近い答えになるはずです (これが「自然」対数と呼ばれる所以です)。 Math.log(1 + 1.1111111111e-15) を計算すると、 1.1111111111e-15 に近い答えが得られるはずです。しかし、 1.00000000000000111022 の対数を取ることになります (四捨五入は二進数なので、時に醜い結果になることがあります) ので、答えは 1.11022...e-15 となり、正しい数字は 3 桁だけです。もし、代わりに Math.log1p(1.1111111111e-15) を計算した場合は、もっとずっと正確な答えである 1.1111111110999995e-15 が得られ、 15 桁の正しい数字が得られます (この場合は実際には 16 桁です)。

x の値が -1 未満であった場合、返値は常に NaN です。

log1p()Math の静的メソッドであるため、生成した Math オブジェクトのメソッドとしてではなく、常に Math.log1p() として使用するようにしてください (Math はコンストラクターではありません)。

ポリフィル

これは次の関数でエミュレートできます。

js
Math.log1p =
  Math.log1p ||
  function (x) {
    x = Number(x);
    if (x < -1 || x !== x) return NaN;
    if (x === 0 || x === Infinity) return x;

    var nearX = x + 1 - 1;

    return nearX === 0 ? x : x * (Math.log(x + 1) / nearX);
  };

Math.log1p() の使用

js
Math.log1p(1); // 0.6931471805599453
Math.log1p(0); // 0
Math.log1p(-1); // -Infinity
Math.log1p(-2); // NaN

仕様書

Specification
ECMAScript Language Specification
# sec-math.log1p

ブラウザーの互換性

BCD tables only load in the browser

関連情報