<textarea>: テキストエリア要素

<textarea>HTML の要素で、複数行のプレーンテキスト編集コントロールを表し、レビューのコメントやお問い合わせフォーム等のように、ユーザーが大量の自由記述テキストを入力できるようにするときに便利です。

試してみましょう

上記の例では <textarea> の様々な機能を紹介しています。

  • id 属性により、アクセシビリティのために <textarea><label> 要素に結びつけることができる
  • name 属性により、フォームが送信されたときにデータポイントに関連付けられた名前を設定している
  • rows 属性と cols 属性により、<textarea> が占める実際の大きさを指定することができます。ブラウザーの既定値が様々である可能性があるため、一貫性のためにこれらの値を設定することはよいことでしょう。
  • 既定のコンテンツが開始タグと終了タグの間に入っています。<textarea>value 属性に対応していません。

<textarea> 要素は他にも、フォームの <input> と共通の属性のいくつか、例えば autocapitalize, autocomplete, autofocus, disabled, placeholder, readonly, required などを受け付けます。

属性

この要素にはグローバル属性があります。

autocapitalize

入力されたテキストを自動的に大文字にするかどうか、大文字にする場合はその方法を制御します。詳しい情報はグローバル属性 autocapitalize のページを参照してください。

autocomplete

この属性は、コントロールの値をブラウザーが自動的に補完してよいかを示します。以下の値を指定できます。

  • off: ユーザーはフォームを使用するたびにフィールドへ値を明示的に入力しなければならないか、ドキュメントが独自の自動補完を提供します。ブラウザーは入力内容の自動補完を行いません。
  • on: ブラウザーはユーザーが以前入力した値を元に、値の自動補完を行うことができます。

autocomplete 属性を <textarea> 要素に指定していない場合、ブラウザーは <textarea> 要素のフォームオーナーの autocomplete 属性の値を使用します。フォームオーナーは当該 <textarea> 要素が子孫になっている <form> 要素か、textarea 要素の form 属性で id を指定されている form 要素です。詳しくは、<form> 要素の autocomplete 属性をご覧ください。

autocorrect Non-standard

文字列で、ユーザーがこの textarea を編集しているときに、自動スペルチェックとテキスト置換(設定されている場合)の処理を有効にするかどうかを指定します。許可されている値は以下の通りです。

on

自動スペルチェックとテキスト置換を有効にする。

off

自動スペルチェックと文字列置換を無効にする。

autofocus

この論理属性で、ページ読み込み時にフォームコントロールがフォーカスを持つべきであることを指定できます。文書内でこの属性を指定することができる要素は、フォーム関連要素のうちのひとつだけです。

cols

平均的な文字幅による、テキストコントロールの外見上の幅です。この属性を指定する場合は、正の整数を与えなければなりません。指定されなかった場合の既定値は 20 です。

dirname

この属性は <input> 要素の dirname 属性と同様に、要素の内容のテキストの書字方向を示すために使用します。 詳しくは、 dirname 属性を参照してください。

disabled

この真偽値属性は、ユーザーがそのコントロールを利用できないことを示します。(もしこの属性が指定されていない場合、コントロールはその設定を親要素、例えば <fieldset> 要素から継承します。もし親要素に disabled 属性を持つものがなければ、そのコントロールは利用可能です。)

form

<textarea> 要素が関連づけられた form 要素 (フォームオーナー) です。属性値は、同じドキュメント内の form 要素の id としなければなりません。この属性を指定しない場合は、<textarea> 要素を form 要素の子要素として配置しなければなりません。この属性により、<textarea> 要素を form 要素の子孫としてだけではなく、同一文書のどこにでも配置できるようになりました。

maxlength

ユーザーが入力可能な文字 (UTF-16 コード単位) の最大数です。この属性を指定しない場合、ユーザーは無制限に文字を入力可能です。

minlength

ユーザーが入力しなければならない最小文字数 (UTF-16 コード単位) です。

name

コントロールの名前です。

placeholder

コントロールに何を入力できるかに関する、ユーザーへの助言です。プレースホルダーのテキスト内にあるキャリッジリターンやラインフィードは、ヒントを表示する際に改行として扱わなければなりません。

メモ: プレースホルダーはフォームに入力されるべきデータの種類の例を示すためだけに使用してください。入力欄に関連付けられた <label> 要素の代わりとして使用しないでください。全体的な説明は、<input> ラベルを参照してください。

readonly

これは論理属性で、ユーザーがコントロールの値を変更できないことを示します。disabled 属性とは異なり、readonly 属性はユーザーがコントロールをクリックしたり選択することを妨げません。読み取り専用のコントロールの値は、フォームとともに送信可能です。

required

この属性は、フォームを送信する前に値を入力しなければならないことを示します。

rows

コントロールで見ることが可能なテキストの行数です。指定する場合は、正の整数でなければなりません。指定されなかった場合、既定値は 2 になります。

spellcheck

<textarea> がブラウザーや OS に依存したスペルチェックを行うかどうかを指定します。以下の値が使用できます。

  • true: 要素でスペルや文法チェックを行う必要があることを示します。
  • default : 要素は既定の動作、おそらく親要素の spellcheck 値によって動作することを示します。
  • false : 要素でスペルチェックを行うべきではないことを示します。
wrap

フォームの送信において、どのように値を折り返すかを制御するかを示します。以下の値を指定可能です。

  • hard: ブラウザーは自動的に改行 (CR+LF) を挿入し、各行がコントロールの幅より長くならないようにします。有効にするには、cols 属性を指定する必要があります。
  • soft: ブラウザーは、入力された値の改行がすべて CR+LF のペアであることを保証しますが、値にそれ以外の改行が追加されることはありません。
  • off Non-standard : soft に似ていますが外観を white-space: pre に変更しますので、cols を超えた部分は折り返されず、水平方向にスクロール可能になります。

この属性を指定しない場合の既定値は soft です。

CSS でのスタイル付け

<textarea>置換要素です。ラスター画像のように内在サイズを持っています。既定では、 display の値は inline-block です。ボックスモデル、フォント、カラースキームが、普通の CSS を使用して簡単に操作できるので、他のフォーム要素と比較して、スタイル付けは比較的容易です。

ウェブフォームへのスタイル設定に、 <textarea> をスタイル付けするためのいくつかの有益なコツがあります。

ベースラインの不整合

HTML 仕様書では、 <textarea> のベースラインがどこであるかを定義していません。よって、ブラウザーによりその位置は異なります。 Gecko では <textarea> のベースラインを textarea の最初の行のベースラインに設定しています。他のブラウザーは、<textarea> のボックスの下端に設定していることもあります。動作を予測できないため、 vertical-align: baseline を使用しないようにしてください。

テキストエリアの大きさの変更が可能かどうかの制御

多くのブラウザーでは、 <textarea> は大きさの変更が可能です。右側の隅にドラッグのためのハンドルがあり、ページ内の要素の大きさを変更するための使用できることが分かるでしょう。これは CSS の resize プロパティで制御されます。既定では大きさの変更が有効ですが、 resize の値に none を使用することで明示的に無効にすることができます。

css
textarea {
  resize: none;
}

有効・無効な値のスタイル付け

<textarea> の値が有効であるか無効であるかを (例えば minlengthmaxlength の範囲の中に収まっているか外れているか、または required)、 :valid および :invalid 擬似クラスを用いて強調表示することができます。例えば以下のように、中の値が有効か無効かでテキストエリアの境界を異なる表示にすることができます。

css
textarea:invalid {
  border: 2px dashed red;
}

textarea:valid {
  border: 2px solid lime;
}

基本的な例

次の例ではテキストエリアを表示させ、行と列の数を設定し、既定のコンテンツを表示させ、ユーザーが要素のサイズを幅 500px、高さ 130px 以上に変更できないように CSS スタイルを設定しています。

html
<textarea name="textarea" rows="5" cols="15">ここに何か書いてください</textarea>
css
textarea {
  max-height: 130px;
  max-width: 500px;
}

結果

"minlength" と "maxlength" を使用した例

この例は文字数の最小値と最大値を、それぞれ 10 と 20 に設定しています。見てみましょう。

html
<textarea name="textarea" rows="5" cols="30" minlength="10" maxlength="20">
ここに何か書いてください…
</textarea>
css
textarea {
  max-height: 130px;
  max-width: 500px;
}

結果

なお、minlength は最小値を超えて入力された文字をユーザーが削除することを阻止しませんので、入力された値により <textarea> が無効になることがあります。また、minlength の値が (例えば 3 に) 設定されていた場合であっても、<textarea> が空欄である場合は required 属性が設定されていない限り有効として扱われます。

"placeholder" の使用

この例はプレースホルダーを設定します。ボックスに入力を開始した時に消えることを確認して下さい。

html
<textarea
  name="textarea"
  rows="5"
  cols="30"
  placeholder="コメントのテキスト"></textarea>
css
textarea {
  max-height: 130px;
  max-width: 500px;
}

結果

メモ: プレースホルダーはフォームに入力されるべきデータの種類の例を示すためだけに使用してください。入力欄に関連付けられた <label> 要素の代わりとして使用しないでください。全体的な説明は、ラベルとプレースホルダーを参照してください。

無効と読み取り専用

この例では 2 つの <textarea> を示しています。一方は readonly であり、もう一方は disabled です。 どちらも編集できませんが、 readonly の要素はフォーカスを設定することができ、値がフォームで送信されます。 disabled の要素は送信されず、フォーカスも設定できません。

html
<textarea name="textarea" rows="5" cols="30" readonly>
readonly のテキストエリアです。
</textarea>
<textarea name="textarea" rows="5" cols="30" disabled>
disabled のテキストエリアです。
</textarea>
css
textarea {
  display: block;
  resize: horizontal;
  max-width: 500px;
}

結果

技術的概要

コンテンツカテゴリー フローコンテンツ, 記述コンテンツ, 対話型コンテンツ, リスト化, ラベル付け可能, リセット可能, 送信可能 フォーム関連 要素
許可されている内容 テキストのみ
タグの省略 不可。開始および終了タグの両方が必要。
許可されている親要素 記述コンテンツを受け入れるすべての要素
暗黙の ARIA ロール textbox
許可されている ARIA ロール 許可されている role なし
DOM インターフェイス HTMLTextAreaElement

仕様書

Specification
HTML Standard
# the-textarea-element

ブラウザーの互換性

BCD tables only load in the browser

関連情報